ピンチをチャンスに変え 国内マーケットを切り拓く サーモンのスペシャリスト
2011年入社 商学部出身 調達:サーモン
Profile
大学では金融経済を学び、周りも私も当然のように就職活動は金融業界を巡って、内定をもらった。そうした時、たまたま大学の説明会でTOREIの話を聞き、海外との貿易を若手から担い、一人ひとりの裁量や役割がとてつもなくダイナミックな印象を受け、気づけばエントリーしていた。長く働くのであれば、身近な食を通じて人や社会に貢献する方が自分は頑張れるんじゃないか、という想いで2011年に入社。
- 1年目
- サーモンの仕入れ事業を担当する部署に配属。海外の冷凍鮭鱒を仕入れて、加工し、卸すという一連の流れを経験。
- 4年目
- 三菱商事グループのサーモン養殖会社である、南米チリの「サルモネス・フンボルト社※」へ2年間出向し、生産管理を担った。
- 7年目
- 東京支社にて、サーモンにおけるスーパーマーケットなどの大手量販店における販売営業を経験。
- 9年目
- サーモンの仕入れ部署に戻り、アトランティックサーモンの大口買い付けで国内普及に貢献。
- 〜現在
- 同部署にて、社内最年少の管理職として課長へに就任。後進の育成、組織や挑戦を受け入れる風土の醸成を担う。
※サルモネス・フンボルト社(現:セルマック・チリ社):2016年にセルマック・チリ社と合併。
Q. 現在の仕事とは?
サーモンを日本に安定供給しています。
日本の世帯で一番購入されている魚は、サーモン※。TOREIはマグロだけでなく、このサーモンの取扱量でも国内トップクラスを誇っています。その国内供給量のおよそ8割が輸入されたサーモン。TOREIでは主に、チリ・ノルウェー・カナダなどから輸入し、加工して販売する、または原魚のまま販売をしています。
TOREIのサーモンの強みは、親会社である三菱商事が世界有数の養殖会社「セルマック」を保有していることにあります。この持続可能な供給網を確立したことで、長期契約といった他社にはできない提案ができるのが大きな強みです。
そうした中で、私の部署は言うなれば「サーモンのプロフェッショナル集団」。私は冷凍輸入サーモンの仕入れ、隣の人は刺身サーモン、あとはスモークサーモンなどに分かれていて、少数精鋭一人一担当制。メンバーは皆、サーモンを食べるのが大好き。そのサーモンの安定供給に貢献しているという誇りと熱い心を持って、日々仕事に向き合っています。
※農林水産省「令和2年度以降の我が国水産の動向」より
Q. 成長させてくれた仕事とは?
ピンチをチャンスに変えたエピソードがあります。それは、コロナ禍で世界的に魚の需要が減ってしまった時のこと。欧米でサーモンといえば「アトランティックサーモン(以下、アトラン)」を指すほど流通量がかなり多い魚でしたが、その価格が暴落したのです。そこで「今がチャンスだ!」と目をつけたのが、アトランの刺身商材でした。
今まで販売経験がほとんどない「アトラン」の刺身商材を大きく仕入れる、これは一つの挑戦でした。というのも、日本ではサーモンの刺身が大人気。しかし、刺身サーモンといえば、鮮やかなオレンジ色が特徴の「トラウトサーモン(以下、トラウト)」が普及していて、「アトラン」は色が薄いことから、スーパーや量販店ではあまり流通していなかったのです。でも、脂のりが良く味も申し分ない「アトラン」に以前から注目していて、今なら価格を抑えて美味しさを伝えられるという想いから、この挑戦に臨みました。
安くなったら売れるという自信はありました。ただ、ニーズがあって仕入れるのではなく、見込みで仕入れないといけない。そのため、仕入れを実行するには上司や役員への説得が必要でした。そこで、強い熱意とロジカルな売上シミュレーションを打ち出し、最終的には1年間で数十億円規模の仕入れを意思決定してもらったのです。
また、色目以外でどのように「アトラン」の魅力を伝えるか。試行錯誤を繰り返しました。例えば、脂がのって美味しいことを実際に検査機関で証明してもらったり、「アトラン」が世界中で主流であることや将来性など、様々なエビデンス資料を作成しました。そして国内販売を担うTOREIの全国8拠点の支社・支店と販売戦略を立て、成功事例を共有するなど、全社、全総力を上げて営業活動を展開しました。
そして、「アトラン」の販売量を急増させることに成功しました。今では、「トラウト」と並ぶ刺身用サーモンとして、全国のスーパーや回転寿司でも広く使っていただけるようになったんです。熱い意思を持って巻き込めば全社を動かせる、そして確実に消費者に届けることができる。そう自信をつけてくれた挑戦になりました。
Q. TOREIで実現したいこと
現在、刺身サーモンでは「トラウト」「アトラン」がメジャーになり、次なる挑戦は、「銀鮭」を刺身商材のポジションへ上げること。「銀鮭」は焼き魚用としてポピュラーな魚であることから、養殖の銀鮭は刺身で食べられることがあまり知られていないのです。
今、様々な価格上昇が起きている中、サーモンも世界で争奪戦が繰り広げられ、刺身サーモンの価格が高騰しています。養殖のチリ銀鮭は約8割が日本に来る日本向けの魚。なので、これが刺身商材として認知されれば、価格の安定に一役買うことができます。もちろん一人でできることではないので、サーモン部隊の総合力とTOREIの全国8支社・支店の販売営業チームを総動員して仕掛けていきたいと思っています。
世界の海と日本の食卓をつなぐ。このダイナミックな仕事に挑戦したい方と出会えることを、心から楽しみにしています。
Daily schedule
チリとミーティング
週1回、生産や出荷状況の確認のための打ち合わせをしています。
承認作業
通常は8:30に出社。毎朝、たまっている書類の捺印や承認作業を行っています。
支店・支社と営業会議
支店、支社に卸すサーモンの数量の確認や、販売した数量の報告といった営業状況などがテーマです。
荷受けと電話会議
お昼過ぎ頃まで市場の荷受けなどの取引先との打ち合わせが数件入ります。
メンバーとランチ
忙しいとコンビニで済ますこともありますが、たまにメンバーと近くの中華屋さんでランチします。
チームで営業会議
チリ銀鮭は9、10月からが水揚げシーズンなので、それに向けた買い付け、販売の打ち合わせをします。
帰宅
家に着くのは8時。子どもをお風呂に入れて寝かし付けをして、10時からご飯食べます。
リラックスタイム
ゆっくり映画を観たりしますが、観ながら寝てしまうこともしばしば(笑)。そして12時には寝ます。
Private
Q. オフ時間の過ごし方は?
休日は家族で買い物をします。子どもはサーモンよりもマグロが大好きみたいで(笑)、水産売場でマグロを買うついでに、TOREIの卸している商品や他社の商品をついチェックしてしまいます。長い休みは子どもたちと札幌の実家に帰省しています。今年の夏休みは地元の友人家族とキャンプを楽しんで、その時のブルーベリー狩りの写真です。